千葉県松戸のアーティスト・イン・レジデンス「PARADISEAIR」。長期滞在プログラムLONGSTAY Programでは、毎年アーティストを世界中から公募し、滞在制作を支援しています。招へいされたアーティストは松戸にて3ヶ月間の滞在制作をおこない、最終成果を報告するとともに、その過程でまちへ沢山の新しい視座や問題提起をもたらしてきました。
2018年度はポーランド出身のアリシヤ ・ロガルスカ、アメリカ出身のジュピター・ブラウンを招へいしました。このウェブサイトでは松戸に滞在しながら制作された作品とその過程を、様々な分野の識者によるレビューや写真を交えながら紹介しています。作品に向き合うアーティストの姿だけでなく、松戸で(非)日常を送る彼らの日々やPARADISE AIRという活動の輪郭も感じ取ることができるはずです。
アーティストプロフィール
アリシヤ ・ロガルスカ
Alicja Rogalska
1979 年生まれ。ロンドン在住、世界の様々な土地で活動を行う。リサーチを軸に、コラボレーションなどを通じて社会の構造や日常に内在する政治的要素に注目した作品を制作。ある特定の文脈における状況、パフォーマンス、映像、インスタレーションなどを創作し作品化する。彼女のプロジェクトは、今・ここにおいて異なる政治的リアリティを実践し、様々な声が人々の耳に届き、共存できる空間を創造することを試みる過程で、未来への解放のためのアイデアを共に探っていくものである。
2011年ゴールドスミス・カレッジにて美術修士号取得。これまで参加したアーティスト・イン・レジデンスにミュージアム・クォーター(2018 年、ウィーン)、IASPIS(2017 年、スウェーデン)など。2016-2017 年、ロンドンArtsadmin の奨学金受賞者。
http://www.alicjarogalska.com/
ジュピター・ブラウン
Jupiter Brown
カナダのTio’ tia:ke(北米インディアン、モーホーク族の言語でモントリオール)を拠点とする黒人クィア(性的マイノリティ)で、多角的な表現を行うパフォーマー。
言葉と声としての身体のあり方に関心を寄せ、身体化された言語の持つ様々な手触りを確かめるように、詩、動き、イメージ、音などを用いて制作する。ブラウンの作品は、身体を切断の美学に基づいて––壊れたり、関節が外れたり、バラバラになったりするものとして––描くものが多い。インスタレーション、パフォーマンス、ヴィジュアル・アートなど様々な表現形態を横断しながら、黒人であること、クィアであること、そして自らのジェンダー・アイデンティティが相互に作用する「交差性」を、多層的なパフォーマンス作品を通じて探求している。
http://houseofjupiter.tumblr.com/
クレジット
ロングステイ・プログラム2018
“考える葦”
主催│一般社団法人PAIR
助成│松戸市、文化庁(平成30年度 文化芸術創造拠点形成事業)
特別協力│株式会社浜友商事
協賛│株式会社池光エンタープライズ
協力│千葉県立美術館、松戸まちづくり会議、一般社団法人松戸市観光協会、株式会社まちづクリエイティブ
衣装提供(ジュピター・ブラウン)│Ground Y
認定│公益社団法人 企業メセナ協議会
*本企画はbeyond2020プログラム認証事業です
謝辞
LONGSTAY Program 2018の実施にあたり、松戸のみなさまをはじめ大変多くの方々のご協力を賜りました。ここに深く御礼申し上げます。
宮内芽依、山崎正吾、藤田祥子、石井仁美、八嶋正典、四方謙一、毛利嘉孝(社会学者、東京藝術大学教授)、堀尾眞誠(松戸まちづくり会議)、白井宏之(松戸市文化観光国際課課長)、アルバ・ダウーン・リム(キュレーター)、バーバラ・トロヤノフスカ(ADAM MICKIEWICZ INSTITUTE)、山田隆行(千葉県立美術館)、古屋梨奈(千葉県立美術館)、磯谷博史、長尾幸治、マーティン・クラーク、エイブラム・ムーア、ウーカシュ・スロヴィエツ、ナディーン・コロヅィー、水上颯葵、田中 美緒、尾藤直哉、柳沼一加、渡部輝、島崎真奈、加藤賢策(LABORATORIES)、和田真季(LABORATORIES)、川田康正(Art Translators Collective)
PARADISE AIR
森純平、庄子渉、田村かのこ、金巻勲、藤末萌、宮武亜季、五藤真、加藤甫
長谷川新(2018年度PARADISE AIRゲストキュレーター)